東寺の朝参り・生身供

東寺の朝参り・生身供(しょうじんく)のご紹介です。

生身供は、毎朝6時より、国宝・御影堂(みえいどう)で行われています。2016年9月から2020年7月まで、御影堂では檜皮葺屋根などの修復工事があり、その間は、生身供は向かい側の大日堂で行われておりました。

御旅庵にお泊まりの方は、東寺の大宮通沿いの入り口、慶賀門まで徒歩4分、慶賀門からは石畳の道をまっすぐ西に進み、突き当りの西院の唐門まで徒歩3分ほど。5時50分ぐらいに御旅庵を出れば、午前6時の開始時間に間に合います(遅れて入っても大丈夫です)。

午前6時になると西院の門が開き、鐘がゆっくり10回鳴りますので門の前で待ちます。(夏に撮影した写真です。冬季は夜明け前の時間となります)

Toji

 

鐘の音が短い間隔で2回鳴りましたら、地元の信者さんに続いて、御影堂に入ります。

miedo

お堂の中では密集しないように間隔をおいた椅子が置いてあり、空いている椅子に着席します。入り口の戸は開け放たれており、冬でも同様ですので、寒い朝はしっかり着込んでおきましょう。

堂内・外陣で着席できる定員は50名となっています。席が埋まってしまっている場合は、堂外からのお参りとなります。

国宝の弘法大師坐像が安置されている厨子がご開帳されるのは毎日の生身供の間と毎月21日のみです。そんな貴重な機会ですので、内陣の中央にある厨子(最初、扉は閉じています)がよく見える位置に座るとよいでしょう。

弘法大師に一の膳、二の膳とお茶がお供えされる生身供は、地元信者の方々が唱える和讃の中で行われます。体験者の方は聞いているだけでも大丈夫です。

6時20分すぎ頃に、弘法大師が唐から持ち帰ったという仏舎利を頭と手のひらに授けてもらえます。

お舎利さんはお堂の右、中央、左の三か所で、それぞれの場所の着席者に対してまとめてお授けされます。お授けの間、お舎利さんの徳とご利益を頂くため、手のひらを上に差し出しましょう。

6時50分頃、「ありがとうございました」のあいさつで生身供は終了です。(生身供の後にすぐに席を立たずにおりますと、長者様と一緒にお堂の周りをお参りできる場合があります)

 

信者の方々が唱える、和讃、般若心経、真言(サンスクリット語の短いお経)は、「在家勤行法則」に載っています。

sutra_book

ご希望ありましたら、貸出ししますので、御旅庵のチェックイン時にお申し出ください(先着2名さま)。数珠はできましたら持参ください。在家勤行法則は朝7時から御影堂内で1冊1000円で販売されています。

 

唱和される和讃、般若心経、真言は、「在家勤行法則」の記載順ではないため、区切りのセクションの始めに付箋を貼っています。自作の説明書も置いてありますので、お参りに行く前に唱和の順番をご確認いただきますと、より充実した体験になると思います。

東寺の生身供は鎌倉時代から始まったとされ、今日まで脈々と続いています。生身供が行われている間、御影堂の外からお参りする人も多く、賽銭箱に入るお布施の音が聞こえてくるたびに、民衆信仰の厚さに感じ入ります。

また、それぞれ国宝の御影堂と弘法大師坐像に無料でお参りできるとは、なんとも有難いことですね。

京都に来られる機会がありましたら、是非、体験してみてください。

御旅庵ホームページ

2021年11月19日 | カテゴリー : Kyoto Culture | 投稿者 : otabi